概要
ADG5208/ADG5209 は、それぞれ 8 個のシングル・チャンネルと 4 個 の差動チャンネルからなるモノリシック CMOS アナログ・マルチプ レクサです。ADG5208 は、3 ビット・バイナリ・アドレス・ライン(A0、 A1、A2)によって決まるように、8 つの入力の 1 つを共通の出力に切り替えます。ADG5209 は、2 ビット・バイナリ・アドレス・ライン、A0 と A1 によって決まるように、4 つの差動入力の 1 つを共通の差動出力に切り替えます。両デバイスの EN 入力はデバイスをイネーブル又はディセーブルに します。ENがディセーブルになると、全チャンネルがオフになります。これらのスイッチの超低キャパシタンスと電荷注入は、低グリッチと高速セトリングが要求されるデータ収集やサンプル・アンド・ホールド・アプリケーションに理想的なソリューションです。高速スイッチング速度と高信号帯域幅が相まって、これらのデバイスはビデオ信号のスイッチングに適しています。
ADG5208/ADG5209 は VL ピンを持たず、代わりにロジック電源はチップ上の 電圧発生器によって内部で生成されます。ADG5208/ADG5209 は VL ピンを持たず、代わりにロジック電源はオンチッ プ電圧ジェネレータによって内部で生成されます。
特徴
ラッチアップ防止
2.9 pF オフ・ソース容量
34 pF オフ・ドレイン・キャパシタンス
0.2 pC電荷注入
低オン抵抗:160Ω(代表値
±9 V~±22 Vデュアル電源動作
9V~40V 単一電源動作
48V電源最大定格
15V、±20V、+12V、+36Vで完全仕様
VSS~VDDアナログ信号範囲
人体モデル(HBM)ESD定格
8 kV I/Oポート~電源
2 kV I/Oポート間
8 kV その他すべてのピン
アプリケーション
自動試験装置
データ収集
計装
航空電子工学
オーディオとビデオの切り替え
通信システム
製品ハイライト
- トレンチ・アイソレーションがラッチアップを防止。厳しい過電圧条件下でもラッチアップを防止するため、誘電体トレンチがPチャンネルとNチャンネルのトランジスタを分離します。
- 0.2 pC チャージ注入。
- デュアル電源動作。アナログ信号がバイポーラのアプリケーションでは、ADG5208/ADG5209 は最大±22V のデュアル電源で動作させることができます。
- 単一電源動作。アナログ信号がユニポーラのアプリケーションの場合、 ADG5208/ADG5209 は最大 40 V の単一レール電源で動作させるこ とができます。
- 3 V ロジック対応デジタル入力。VINH = 2.0 V、VINL = 0.8 V。
- VLロジック電源不要。
AC電源除去比(ACPSRR)
ACPSRR は、電源電圧端子に現れるノイズやスプリアス信号のスイッチ出力へのカップリングを回避するデバイスの能力を示す指標である。デバイス上の直流電圧は、0.62 V p-p の正弦波で変調される。出力上の信号の振幅と変調の振幅の比がACPSRRである。
トレンチアイソレーション
ADG5208/ADG5209 では、各 CMOS スイッチの NMOS と PMOS トランジス タの間に絶縁酸化膜(トレンチ)が配置されています。ジャンクション・アイソレーションでは、PMOS と NMOS トランジス タの N ウエルと P ウエルはダイオードを形成し、通常動作では逆バイアスさ れます。しかし、過電圧状態では、このダイオードは順方向にバイアスされます。シリコン制御整流器(SCR)タイプの回路が2つのトランジスタによって形成され、電流の大幅な増幅を引き起こし、ひいてはラッチアップにつながる。トレンチ・アイソレーションにより、このダイオードは除去され、その結果、ラッチアップ防止スイッチが実現する。
アプリケーション情報
低キャパシタンス・ラッチアップ・イミ ュニティ・スイッチ/マルチプレクサ・ファミリーは、ラッチ アップ(デバイスの故障につながり、電源がオフになるまで続 く望ましくない大電流状態)の発生しやすい計測機器、産業機器、 車載機器、航空宇宙機器、その他の過酷な環境向けの堅牢 なソリューションを提供します。ADG5208/ADG5209 高電圧スイッチは、9 V ~ 40 V の単一電源動作と ±9 V ~ ±22 V のデュアル電源動作が可能です。